薬と食事の「飲み合わせ」にご注意を!

公開日:2025年08月19日 更新日:2025年08月19日 ブログ

デイサービスをご利用されている方の多くが、複数の薬を毎日服用されています。
糖尿病、高血圧、心臓病、胃腸の不調など、さまざまな症状に対して処方された薬は、健康維持のために欠かせない存在です。
しかし、薬は、ただ飲めば良いというものではありません。
食事や飲み物との「飲み合わせ」によって効果が変わることがあるのです。
知らずに食べたもの、飲んだものによって、薬の吸収が妨げられたり、逆に効きすぎたりしてしまう場合もあります。
この「飲み合わせ」に気をつけることは、私たち介護職が利用者さんの体調を見守るうえでも、大切な視点です。

 

〇注意したい「飲み合わせ」の代表例

・グレープフルーツと血圧の薬
グレープフルーツに含まれる成分が肝臓の代謝酵素を妨げ、薬の分解が遅れてしまうことで、血中濃度が高まり、効きすぎてしまうことがあります。
たとえば、血圧の薬(カルシウム拮抗薬)やコレステロールの薬などがこれにあたります。
特に注意したいのは、時間を空けて飲めば安全というわけではないという点です。
グレープフルーツの成分は、摂取後も長時間体内に影響を与えるため、薬と数時間離しても安全とは言えません。
継続して控える必要があります。
 
・牛乳・ヨーグルトと抗生物質
カルシウムやマグネシウムを含む乳製品は、一部の抗生物質の吸収を妨げます。
体内で薬と結びつき、効果を弱めてしまうため、服用の前後2時間は避けるのが基本とされています。
レボフロキサシンやシプロフロキサシンといったニューキノロン系の薬が該当します。
 
・納豆や青菜と血液サラサラの薬
納豆やほうれん草などに含まれるビタミンKは、ワルファリンという抗凝固薬の働きを弱めることがあります。
一度だけ摂取するよりも、日々の摂取量が不安定なことの方が、薬効への影響が大きいとされています。
食べてはいけないのではなく、量を安定させることが大切です。
 
・カフェインと眠剤・喘息薬
コーヒーや緑茶に含まれるカフェインには、興奮作用があります。
睡眠薬や抗不安薬(ジアゼパムなど)と一緒に摂ると、眠気を妨げたり、薬の効きが悪くなることがあります。
また、喘息の薬(テオフィリン)と組み合わせると、動悸や不眠などの副作用が強まる場合もあるため注意が必要です。
 

〇デイサービスでの薬の管理はチームで行います

ほねつぎデイサービスでは、薬の管理はご家族や主治医と連携し、看護師と職員が協力して行っています。
特にお昼に服用する薬については、服薬のタイミングや飲み合わせに気をつけながら、安全にサポートを行っています。
利用者さんが「この薬、食後だったかな?」と不安にならないよう、声かけや飲み忘れ防止の確認も日々のケアに含まれています。
 

〇職員自身も知っておきたい「飲み合わせ」の知識

この「飲み合わせ」の知識は、利用者さんの健康を守るだけでなく、私たち自身の健康にも役立ちます。
たとえば、市販の風邪薬を飲むときのタイミングや飲み方、サプリメントを常用している場合、それが薬とどう影響するか等、知らなければ何も考えずに飲んでしまいますよね。
良かれと思って摂っている健康食品や飲み物が、薬の効果を妨げているかもしれないと考えると、正しい知識がいかに大切かが見えてきます。
 

〇飲み方ひとつで、薬の働きは変わる

薬は「飲んでいるから安心」ではなく、「正しく飲めているか」が重要です。
そしてその「正しさ」は、タイミングだけでなく、どんな食べ物・飲み物と一緒に摂っているかにも左右されます。
「今日のおかずは大丈夫かな」「この飲み物は薬と一緒でいいかな」
そんなさりげない気づきや確認が、ご利用者さんの体調を守る力になります。
今後も「飲み合わせ」に気をつけたケアを積み重ねていきましょう。

ほねつぎデイサービスで働きたい方、まずは見学を希望という方もお気軽にお問い合わせください。

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